新型コロナウイルスへの中国の対応が世界のモデルになるとみられていた頃を覚えているだろうか。西側諸国の公衆衛生の専門家たちは、感染拡大初期に実施されたロックダウン(都市封鎖)がひどい結果をもたらした後、「ウィズコロナ」政策へと移行した米国の厄介な民主的決定に代わるものとして、中国の「ゼロコロナ」政策を好意的に見ていた。そうした評価ももはやこれまでだ。新型コロナの感染が初めて確認されてから間もなく3年となる中、中国では記録的な感染者数が報告されている。1日当たりの新規感染者数は過去最高に達し、2カ月間にわたり封鎖された上海で4月に急増した際の水準を上回っている。中国全土で感染が拡大しており、複数の都市で再びロックダウンが敷かれている。ノムラは、中国の国土の5分の1以上が移動制限の対象になっていると推定している。