運用管理費用(信託報酬)は
わずかな差でも運用への影響大!

 投信にはいろんな手数料がかかりますが、いちばん重視したいのは「運用管理費用(信託報酬)」です。投信を保有している間ずっと信託財産から差し引かれ、運用成績を押し下げる要因になるからです。

日本にはこの運用管理費用が高い商品がとても多いので、きちんと確認しましょう。運用管理費用や購入時手数料には消費税がかかるので、今後、消費税が上がると手数料の高いものほど影響があります。

 図2―10は100万円を投資して元本が変わらなかった場合(=リターンがゼロの場合)に、運用管理費用の違いがどれくらい資産額に影響を与えるかを表したものです。運用管理費用が年0.3885%の低コストなAファンドと、年1.575%のBファンドにそれぞれ100万円投資したとします。最初の1年ではAとBとの差は1万円程度ですが、10年後には低コストのAが約96万円なのに対し、Bは約85万円となり、10万円以上の差が開いてしまいます。ここではわかりやすいように、購入時手数料、信託財産留保額は「0」(なし)として計算しています。

 このように、運用管理費用が運用成績に与えるインパクトは予想以上に大きいことがおわりいただけると思います。同じくらいの成績しか上げられない場合には、コストの低いほうが有利です。