ただ話すだけなのに「頑張る」「疲れる」「気を使う」……。日々のコミュニケーションで苦戦苦闘している日々よ、さようなら。これからは、説得しようと力業で勝負する必要はありません。自ら動くのではなく、相手に動いてもらい、自分の思い通りの結果に導けばいいのです。
それを可能にしたのが、大久保雅士著『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』だ。「トップセールス」の実績を持つ「メンタリズム日本一」が生んだ至極のコミュニケーションスキルが詰まった一冊。本書より、徹底的に磨かれたノウハウを一部抜粋し、「口下手で人付き合いが苦手」な人でも今日からすぐできる方法を紹介する。

会うことに「価値」を加えると「ありがとう」が生まれるPhoto: Adobe Stock

希少価値を上げ、距離を縮める

 有名なアイドルのコンサートチケットがオークションで異常な高値がついてしまうことがよくありました。これらがなくならなかった理由は、それでも買う人がいるからです。

 通販番組で「今回この商品を買えるのは、今から30分以内に申し込んだ先着50名様まで!」といわれると、買う気がなくても気になってしまうこともありますよね。

 これらは「希少性の原理」と言い、「人は手に入りづらいものほど価値があると考える」という心理です。何も商品やサービスを販売するときだけに使えるものではありません。

 もし、今以上に人間関係を深めたい人がいる場合、「あなた自身の希少価値」を上げましょう。ポイントは会える日や連絡を取れる日を限定することです。

「いつでも飛んでいきます!」「明日でも大丈夫です!」ではまったく希少価値がありません。それどころか、「いつでも会える人」になり、希少価値が下がっていきます。

「今月はこの日しか時間が取れないのです」と、なかなか時間が取れない人に見せることで希少価値を上げましょう。

 ポイントは予定を合わせるときに、候補日を何日かに絞ります。

「時間が取れる日を教えていただけますか?」と相手から提案された候補日の中で、仮にすべて都合がついても、「○○日なら調整できます」と伝えるだけで、相手に「なんとかして時間をつくった」ように見せることができます。

 また、相手から候補日を求められることもあるでしょう。その場合は、「ちょっと立て込んでいまして」と調整するフリをし、「おそらく○日であれば大丈夫だと思うので、調整してご連絡します!」と、その場は仮の約束だけにしましょう。その後、時間を置いて「何とか調整できました!」と連絡するのです。

 また、「ちょっとその日は予定がありまして」と、一度断るのも一つの手です。時間を置いてから、「○○さんにお会いしたかったので、先約には正直に話して予定を変えてもらいました!」と伝えれば、相手の中で感謝が生まれます。そうすると、相手からは「時間を取ってくれてありがとう」と感謝の言葉をかけられるでしょう。

 その際に「いや~忙しくて」や「何とか時間をつくったんですよ」などと言ってはいけません。このテクニックの一番大事な点は、最後はこちらの感謝で終わらせることです。実際にお会いしたときには、「こちらこそ時間を取っていただきありがとうございます!」と感謝を伝えるのです。あくまで「あなたに会える希少価値を上げる」だけです。会ったときには相手への感謝を優先することですね。

 ここで贈り物を持っていくと、より効果的です。もちろん贈り物は2つです。

 そうすれば、相手はあなたの希少価値を上げ、かつ距離を縮めてくれるでしょう。

(本原稿は、書籍『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』から一部抜粋、編集したものです)