海外旅行ガイドブックの決定版『地球の歩き方』から、今回紹介する記事は「フランスで絶対食べるべき定番グルメ」です。パリから地方まで、フランス各地にはおいしいものがあふれています。エスカルゴ、ブイヤベースなど一度は耳にしたことがある料理名も多いはず。各地の定番料理と、それを楽しめるパリのレストランをまとめました。(文・写真/守隨亨延)
パリ生まれの定番朝食クロック・ムッシュー
クロック・ムッシューとは、バターを塗った食パンにチーズとハムを挟み、ベシャメルソースをかけてオーブンやフライパンで焼いたサンドイッチの一種です。クロックはフランス語で「カリカリの」、そしてムッシューは「紳士」の意味。これに目玉焼きを乗せるとクロック・マダム(マダムとは「婦人」の意味)になります。
パリ市内のカフェで生まれたとされ、今ではフランスのカフェやブラッスリー、ビストロでは定番の料理です。元はグリュイエール・チーズにボンレスハムを挟んでいたのですが、今ではコンテやミモレットといったチーズ、ハムも生ハムや鶏肉、サーモンなど、お店によってさまざまに工夫されています。
定番メニューですので、町なかにあるカフェ(特別なカフェではなく地元の人が集っていそうな、よくある感じのカフェ)ならメニューに載せているところが多いです。それでもこだわりたいなら、クロック・ムッシューをメインにしている「フリックフラック」へ。サンマルタン運河沿いとモンマルトルにお店を構えています。
南西部で多く生産されているフォアグラ
フォアグラは、特殊に飼育されたガチョウやガチョウの肝臓のことです。フランス料理では前菜としてそのまま出されたり、料理にアクセントして使われます。華やかな機会での料理に出されることも多く、クリスマス時期になると小売店の店頭には、たくさんのフォアグラが並びます。
フォアグラの生産には、肝臓を肥大化させるためにトウモロコシなどの餌を大量に食べさせるガバージュという方法が取られ、その生産方法は動物福祉などの観点から議論が起きています。これを理由にフランスにおいてもフォアグラを食べないようにしている人もいます。
定番料理のためフォアグラを扱うレストランや商店は多いですが、フォアグラを主にして食べてみようと思うなら、モントルグイユ通りにある「ル・コントワール・ド・ラ・ガストロノミー」へ。フォアグラを中心とした食材の専門店で、併設するレストランではフォアグラを使った料理も提供しています。同店の近くには、パリのグルメストリートであるモントルグイユ通りがあるので、あわせて訪れてみましょう。
住所 34 Rue Montmartre 75001
URL https://comptoirdelagastronomie.com