中国の経済政策、現実主義に イデオロギー後退photo:Zhe Ji/gettyimages

 中国の習近平国家主席は、経済が低迷する中で、中央集権的な統制、政治的純粋さ、国家安全保障への執拗なこだわりを捨て、これまで成長を犠牲にしてきた政策の緩和に乗り出している。

 その最新の兆候は、16日に北京で開かれた中国共産党の中央経済工作会議だ。出席した幹部たちは、中国は「民間経済と民間企業の発展と成長を奨励し、支援する」と述べ、より企業寄りのアプローチを承認した。

 習氏が新型コロナウイルスの封じ込めを狙って「ゼロコロナ」政策を導入してからほぼ3年。この政策に基づく厳格な行動制限が撤廃されたことは、低迷する経済成長の再生を図る幾つかの現実的な措置の中で最も分かりやすいものだ。中国政府は、生産を停滞させ、失業率を押し上げ、投資家や消費者の信頼感を損なってきた新型コロナ規制を急速に廃止している。先月末には、規制に怒った市民らが首都北京や他の主要都市の街頭に繰り出し、過去何十年かで最も広範な部類の政治的な反政府抗議行動を行った。