厚生労働省の資料によれば、それぞれの推奨数値はたんぱく質(P)が13~20%、脂質(F)が20~30%、炭水化物(C)が50~65%となっています。よりダイエット効果を高めるためには、ビタミンやミネラル、食物繊維なども含めて計算することが理想ですが、あまり細かく管理しすぎると数字にとらわれ本質が見えなくなってしまうため、まずはPFCバランスを確認することから始めましょう。推奨数値はあくまで目安なので、体調と相談しながら数値の“幅”の中で微調整しても問題ありません。
実際のところ、脂質はどれくらい取っていいの?
1日の総摂取カロリーのうち、脂質の摂取量を20~30%に抑えることが理想だと分かりましたが、実際のところ1日あたり何gを摂取できるのでしょうか。より具体的な数字を挙げて考えてみましょう。計算がしやすいように、一日の総摂取カロリーを1500kcal、脂質摂取の推奨量を25%に設定します。
1500kcalの25%は375kcal。脂質は1gあたり9kcalと定められているので、脂質は1gあたり9kcalに相当するので理想とされる一日の脂質摂取量は41~42gになります。つまり、1日の総摂取カロリーの目安が1500kcalの人であれば、脂質の摂取量を40~50gに抑えることで、理想的なPFCバランスを維持できるわけです。もちろん、運動量が多い人は「総摂取カロリーの25%」「1gあたり9kcal」を基準に“許容値”を割り出して、脂質の摂取量を増やしても大丈夫です。
許容範囲を超えないよう、慎重な食材選びを
では、脂質を40~50gに抑えるためには、どんな食生活を心がければいいのでしょうか。いくつかの食品を例に挙げて考えてみましょう。
例えば牛丼(並盛)には約25gの脂質が含まれ、1食だけで1日の摂取量の約半分を占めます。お菓子類も脂質が多く、板チョコ1枚(50g)で約17g、ポテトチップス(1袋)に至っては約30gの摂取量になります。そのほかにも、ベーコン(3枚)で約20g、ソーセージ(5本)で約25gなど、脂質を多く含む食材はたくさんあります。また、サラダのドレッシングや調理油など、食材以外から摂取する脂質まで含めれば40~50gはあっという間にオーバーしてしまいます。脂質の少ない魚介や豆類を積極的に取り入れるなど、食材選びにも気をつけたいものです。