中国における住宅価格の所得に対する倍率(2021年)
中国経済は2010年代に平均8%近い高成長を遂げたが、今後10年間は4%台にまで大きく減速する見込みだ。ここで不動産バブルの処理に失敗すると、一段の失速は避けられない。
不動産市場の過熱は著しい。住宅の新規販売価格の対所得比率は、全国平均で8.5倍。これは、サブプライム危機前の米国の5.8倍を大きく上回る危険な水準だ。
家計の債務状況も危うい。長期にわたる金融緩和を背景に、家計向け与信も異例のペースで増加し続けた。対GDP比で見ると、12年は30%程度だったのが、最近では60%を超えている。