習近平国家主席写真:中国通信/時事通信フォト

習近平3期目の
元年となる2023年

「激動」と言えた2022年が過ぎ去り、新年がスタートした。

 昨年10月に開催された第20回党大会で3期目入りを決めた習近平総書記(以下敬称略)が、新政権を率いていく上での「元年」になるのが2023年である。3月5日に開幕する全国人民代表大会(全人代)を経て、国務院総理、国家副主席、各省庁の閣僚など重要人事が固まり、習近平第3次政権が本格的に発足、始動するという流れで、習近平自身の国家主席再任が決まるのも全人代である。

 憲法改正を通じて国家主席の任期を半ば強行的に撤廃し、「2期10年」という制度を除去した習近平にとって、3期目入りは手続きという以上に、試練だと言える。国家の命運を左右するような政策で失敗を犯せば、異例の3期目入りに疑問符が付き、中国共産党政権としての権力基盤にも傷がつきかねない。その意味で、2023年という元年にどう向き合い、どう乗り切るかは、今後の中国の行き先を占う上で極めて重要である。

 本稿では、そんな習近平政権の2023年を見る上で筆者が注目する三つの課題を取り上げ、分析を試みる。