習近平新体制、一段と習氏に権力集中
経済優先度は低下した可能性
第20回中国共産党大会が10月22日に閉幕し、習近平総書記の異例とされる3期目の続投が決まった。
注目された最高指導部の人事では、李克強現首相をはじめ、習氏と距離があるとされる共産主義青年団出身などの人物は外され、ほとんどが習氏に近い人物で固められた。
習氏は自身が重視する政策をさらに力強く推進する体制を整えたといえ、「ゼロコロナ」政策のほか、対外的には米国への強硬姿勢を続け、台湾問題の解決に向けた行動も積極化する可能性が高くなっている。
欧米とは異なる独自の発展モデル「中国式現代化」を推進するなど、これまで以上に政治的な成果を重視し、その一方で経済問題への対応の優先順位を引き下げているようにもみえる。
政権基盤が盤石となることで、習氏が重視する政策は一層、推進力が強まる一方で、習氏の意向に沿った政策でなければ、政策の実効性や柔軟性が失わる可能性がある。
懸念されるのは、成長減速や不動産不況に見舞われている「経済問題軽視」だ。
下手をすれば習近平新体制は予想外に序盤でつまずく可能性がある。