誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の短編集は、アナタの心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。YouTube「精神科医Tomyの人生クリニック」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
精神科医が教える
恋愛のポイント
きょうのテーマは、珍しく「恋愛」です。広い意味での人間関係ともいえますが、やはり相手次第というところが大きいです。どんな相手でも努力次第で補える部分もありますが、努力したからといってうまくいくわけではない。なぜなら、相手がいることだから。
これが恋愛の難しいところですよね。相手次第で、そのうえで自分が努力すれば、うまくいくこともあるわけです。平たくいうと、当たりもあれば、ハズレもある。ハズレが続いてしまうと、自分の運や性格、つき合いかたなんかに自信がなくなってしまいがちです。
でも、結局は相性の問題が大きいですから、そんなに落ち込むことはありません。自分だけでは解決できないことが、相手に半分あるわけですから。1ついえるのは、自分の努力が報われる「人選」がポイントだということ。
最初の段階の
“モヤモヤ”を見過ごさない
恋愛は感情の部分も大きいですから「人選」なんていうと、ちょっと堅苦しい感じもしますが、わざわざ報われない人とおつき合いを続けても、先がもちませんからね。そこは冷静になったほうがいいです。
好きになって、つき合うまでの過程に、もうちょっと重点を置いてみるイメージです。好きだから即つき合うのではなく、ちょっと冷静になって様子をみたほうがいい。
「なんかいい感じの人で好きなんだけど、まだつき合っているわけじゃない」という時期がいちばん大事。お茶したり食事したり、デートを重ねながらも、勢いに任せないこと。この時期に冷静にならないと、最初の段階でちょっと心に引っかかる“モヤモヤ”を見逃してしまいます。
“引っかかり”を
最初の段階で見定める
そうした引っかかりは、つき合っていくと肥大化するケースが多いです。だから、最初の段階で、モヤモヤする点を受け入れられるかどうかを考えたほうがいい。受け入れられないようであれば、その先に進むことをやめるのも選択肢の1つです。
なかには“押しに弱い”という人もいます。相手から猛烈にアプローチされると断れない人です。相手から好きだといわれると、自分も好きになっちゃう。そうなると、あとは運任せになってしまいます。
それでもいいのなら、他人がどうこういうことではないのですが、最初の数回は“引っかかり”がないかどうかをフラットな視点で見定めたほうがいいと思うんです。
勢いに任せない
かくいうアテクシも、以前は恋愛なんてご縁なんだから、勢いに任せればいいだろうと思っていたんです。でも結局は、自分の努力では解決できないことがみえてくることが多かった。そういう経験もあって、最初の勢いがあったとしても、そこはグッと抑えて、フラットな目で見定める。
そのうえで納得したうえでつき合うと、自分でも安心して努力のしがいが出てくるんですよね。そういう段階を経て、相手のことを大切にすればいいと思うんです。
そういう過程を経ないと、いずれ「自分は大切にされてるのかな」「私をもっと大事にしてよ」なんていう思いが浮かんできたりします。そう思いはじめると、うまくいかない。だからこそ、最初の段階が大事になるわけです。
一方的な“エゴ”
にならないように
「私はあなたを大切にするけど、そうしても大丈夫な人?」という点を見定める。それクリアしたうえで、おつき合いするのがポイント。そういうことなく、「大事にされたい」と思う気持ちが募るようだと、それは単なるエゴになるかもしれません。
恋愛という人間と人間が相対することで、うまくいかない人というのは、最初の段階で相手をフラットな目で冷静にみることなく、いきなり感情に任せて突き進んでしまう。そこは本能に任せるだけでなく、冷静な目で「人選」という概念を入れてみるべきだと思うんです。
「私はアナタのことを好きになったら、めっちゃ大事にするけど、そうしても大丈夫な人かな」という目で、ちょっと観察してみてください。
本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。