25年の時を経て刊行された、名著『ベスト・パートナーになるために』の続編『一人になりたい男、話を聞いてほしい女』。家庭、職場、恋愛……あらゆる場面で異性間コミュニケーションは必須です。男女が上手に付き合うために必要なことを生物学的に、あるいはコミュニケーションの観点から考え続けてきたジョン・グレイ博士の最新の考えを同書から紹介していきます。(初出:2018年8月23日)

知らないと損する? 発想が異なる「男女」の12の違い【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

男は火星から、
女は金星からやってきた

前作『ベスト・パートナーになるために』のテーマは、“男と女は火星人と金星人ほど違う生き物であり、そのためにさまざまな問題や誤解が生じている。それを乗り越えるにはどうすればよいか”だった。

それから25年以上が経過し、男女の関係は驚くほど変化した。私たちはもはや、男と女のステレオタイプに縛られることのない自由な社会に生きている。その結果、男女の役割も以前のようにはっきりとは区別できなくなった。

火星人/金星人というアイデアを時代に合わせて新しくとらえなおす前に、まずは前作のおさらいとして、男女の主な違いを12個の項目で表したものを見ておこう。

この違いが、恋愛における誤解を生む大きな原因になっている。ただし現代では、外で働くことが多くなった女性には火星人の傾向が、家事をすることが多くなった男性には金星人の傾向が見られるようになった。“自分とパートナーは、どちらがどれくらい火星人で、金星人だろう?”と考えながら読んでみてほしい。

(1)価値観
火星(男)→自立、成果、成功が大切。他人と差をつけることが最優先。
金星(女)→分かち合い、配慮、支え合いが大切。愛を与え合うことが最優先。

(2)ストレスへの対処
火星(男)→ストレスを感じると、充電のために“洞窟”に引きこもり、問題から距離を置いて解決策を探そうとする。
金星(女)→近くの人に相談し、共感や支えを得ることでストレスに対処しようとする。

(3)相手に与える愛情の量
火星(男)→相手と公平と思える量の愛情や支えを与え合うことをよしとする。
金星(女)→できるだけ多くのサポートを相手に与えようとする。自分が受けとる以上の量になることが多く、結果として疲れ、腹を立てやすい。

(4)愛情表現のタイミング
火星(男)→一度近づいたら、しばらく距離を置き、再び愛情を感じたときに戻って来たい。
金星(女)→いつでも近くにいて、愛情を表現し合いたい。

(5)愛情表現の評価ポイント
火星(男)→愛情表現の大きさが重要。32本のバラを贈れば32ポイントが得られると期待する。
金星(女)→愛情表現の回数が重要。1度の愛情表現はあくまでも1ポイント。32本のバラを受けとっても、1本のバラを受けとっても1ポイント(つまり火星人が32ポイントを得るには、金星人に1本のバラを32回贈らなければならない)。