チェサピーク・エナジーは水圧破砕法(フラッキング)ブーム下で最大のスター企業の一つで、米国に眠る膨大な量の天然ガスを採掘できる能力を活用して長年にわたり好調を続けてきた。しかし2020年夏までには、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)とロックダウン(都市封鎖)の影響で収入が枯渇した上、タイミングの悪い大規模な事業拡大が重しとなり、同社は連邦破産法11条の適用を申請した。ところが、昨年1~9月にチェサピークは一転して13億ドル(約1700億円)の利益を計上。株主に8億ドルの配当を支払った。同社の株価は、2021年初めに株式を再上場して以降2倍以上に跳ね上がっている。ロシアのウクライナ侵攻や米国の景気回復をはじめとするさまざまな出来事を支援要因に、化石燃料が驚くべき回復力を示している。ジョー・バイデン米大統領がクリーンエネルギーへの移行を推進し、業界自体が好不況の波に左右される投資を行い、負債に大きく依存してきたにもかかわらずだ。