【重慶(中国)】新型コロナウイルスの封じ込めを狙った「ゼロコロナ」政策の大部分が撤廃されてから1カ月が経過し、中国は他の多くの国々が3年間にわたり対応してきた問題を一度に経験している。
感染者数の急増で医療施設は対応能力の限界に達し、高齢者や体の弱い人たちが死亡している。しかし、政府の公式統計では、コロナ関連の死者数が大幅に過小報告されていると公衆衛生の専門家らはみている。
それと同時に、経済活動の一部は回復している。地下鉄は通勤者であふれ、レストランはほぼ満席。労働者は通常の業務を再開し、国内旅行が再び活発化している。
こうした要因が組み合わさって問題が噴出しかねない危うい状況が生まれており、その結果を予測することはとりわけ困難だ。いかなる違反も許さないゼロコロナ政策をこれほど長期間にわたり、これだけ広範囲に導入した国は他になく、行動制限をこれほど急に解除した国も他にほとんどない。