ブドウ糖を利用した指標の一つが、GI値だ。「食品を食べたときに体が吸収するブドウ糖の濃度」を指す。シドニー大学の研究で知られるようになったが、あくまで食品中のブドウ糖の割合を示すので、実際に食べる食品にどれだけの量が含まれているかわからない。
「その点で、GI値は現実的でない場合があります。例えばニンジンはGI値が高いので、減量したい人はあまり食べないように指導されることがありますが、実はニンジンのGI値は約4本分で計算されています。普通はニンジンをそんなに食べないですよね」
新指標で計算したら
そこで、注目されているのがGL値だ。およそ1食あたりのブドウ糖換算量、もしくは食品100グラムあたりのブドウ糖換算量を表す。
「GL値はGI値より実践的ですが、誤解を招きやすいと思います」
そこで團院長は、GL値を手軽に計算する方法を編み出した。それが「wtGL(ウェイトジーエル)値」だ。
計算式は、
実際に食べる炭水化物の量×GI値=実際に食べる食品中のブドウ糖換算量
例えば、自分がこれから食べる白ご飯を計算する。各数字は成分表などを参考にするとより正確だが、ネットで手軽に検索した結果を使っても構わないという。
まず白ご飯の量を調べよう。計量すると確実だが、わからなければ目安で。厚生労働省の指標では、お茶碗1杯は150グラム。今回は150グラムとしよう。
次にネットで「食品成分表 白ご飯」と検索する。食品100グラムあたりの炭水化物含有量を調べる。37.1グラムだった。
この数字をもとに、白ご飯の炭水化物量を計算する。
実際に食べる量は150グラムなので、炭水化物量は、
(150グラム÷100グラム)×37.1グラム=55.65グラム
そこで、この炭水化物量がどれだけ血糖値を上げるのか計算する。GI値を掛け算して、ブドウ糖換算量を算出する。