食後の血糖値を上げるように働く炭水化物
血糖値が極端に高くはない人の糖尿病発症予防という目的でも、低炭水化物の食事スタイルが役立つ可能性が示された。米テュレーン大学のKirsten Dorans氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に10月26日掲載された。
食後の血糖値を上げるように働く炭水化物の摂取量を抑える「低炭水化物食」は、糖尿病患者の治療という場面での有用性を示すエビデンスが増えてきている。ただし、糖尿病の発症予防という点でのエビデンスはまだ少ない。そこでDorans氏らは、まだ糖尿病の治療を受けておらず、HbA1cが6.0~6.9%とそれほど高くない集団を対象とする無作為化比較試験により、この点を検討した。
研究参加者は150人で、平均年齢58.9±7.9歳(範囲40~70歳)、女性72%、BMI35.9±6.7、HbA1c6.16±0.3%。75人ずつの2群に分け、低炭水化物食群に対しては、前半3カ月間は炭水化物を1日40g未満、後半3カ月間は同60g未満を目標とする栄養介入を行った。最初の4週間は毎週1回、それ以降は隔週で個人面接を行ったほか、電話やグループ教育によるフォローアップが継続された。一方、対照群には食事に関する一般的な注意事項を示した書面を手渡し、各自で食事療法を行うように指示したほか、食事とは関係のないトピックの教育セッションが毎月行われた。