作家の村上龍作家の村上龍 Photo:JIJI

NTTドコモ「iモード」の
生みの親である松永真理

 九州の北西端に位置し、長崎県内で2番目の人口の佐世保市。明治以来、軍港として知られ、現在も米軍や自衛隊の基地がある。市内北部にある長崎県立佐世保北高校からは、独創性に富んだ卒業生を輩出している。

 携帯電話・スマートフォンがインターネットにつながり、同じ携帯会社同士ではなくてもメールを送れる(Eメール)――なんてことは、今や常識だが、それが常識になってからはまだ二十数年にすぎない。

 その常識を世界で初めて実現させたのは、NTT移動通信網(現NTTドコモ)だ。携帯電話IP接続サービス「iモード」を、1999年に開始したことによる。

 その企画開発チームのリーダーを務めた松永真理が、佐世保北高校のOGだ。「iモード」の企画コンセプト、そのネーミングやロゴマークに至るまで、松永を先頭とするチームが考え出した。2000年10月号の米フォーチューン誌では「ビジネス界最強の女性ランキング」のアジア部門で、1位にランクされた。

 松永は、「リケジョ(理系女子)」ではない。明治大文学部仏文学科卒後、77年に日本リクルートセンター(現リクルート)に入社した。「とらばーゆ」などの編集長を務めた後、NTT移動通信網にスカウトされた。ゲートウェイビジネス部企画室室長になり、「iモード」の企画開発に専念した。現在は、セイコーエプソンなどの企業で社外取締役を務めている。