小学校受験に「世帯年収」はいくら必要?体験者が語るリアルなお金の相場写真はイメージです Photo:PIXTA

首都圏を中心に高まる「お受験」人気。共働き家庭が増え、経済力のある親が小学校受験を選択するようになってきたことや、コロナ禍で速やかにオンライン授業に踏み切るなどICT化が進む私立小学校が注目されたことで、この数年は特に受験者数が急増しています。受験対策にも学費にも高額な費用がかかる小学校受験に挑める年収はどれくらいなのでしょうか。子どもの小学校受験を経験したことがあるファイナンシャルプランナーが実態を解説します。(ファイナンシャルプランナー 加藤梨里)

私立小に通う家庭の世帯年収は?

「小学校受験」というと、裕福な家庭の子どもがするイメージが強いものです。実際、私立小学校に通う子どもは全国の小学生のたった1.3%にすぎません(文部科学省「令和3年度学校基本調査」)。そもそも学校数も全国で240校ほどしかなく、うち約100校は東京・神奈川・千葉が占めていますから、小学校受験は首都圏中心のごく限られた世界の話であることは確かです。

 経済的に恵まれた家庭向けであることも否めません。子どもを私立小学校に通わせる家庭の52%は世帯年収1200万円以上で、それ以下の世帯よりも圧倒的に多いのです(文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」)。公立小学校に通わせる世帯のボリュームゾーンは年収400万~800万円ですので、その1.5倍以上稼ぐ家庭が私立に集まっているのが現実です。

 では、「お受験」までには一体どれくらい費用がかかり、入学後のお金はどうなるのでしょうか。実態を紹介しましょう。