商社での勤務経験を踏まえて日本人ビジネスパーソン向け英語教材を開発する筆者は、「グローバル人材を目指すなら、アメリカ人の自己開示力を見習うべき」と断言します。その理由と、日本人が「自己開示力」を高めるノウハウについて紹介します。(パタプライングリッシュ教材開発者 松尾光治)
アメリカ人から質問されたら
「短い答え方」は要注意!
普段の日本語での何気ない話し方を、そのまま英語でも行うと失礼になってしまうことがある。典型的なのが、アメリカ人から何か質問されたときに、一語や短いワンセンテンスだけで答えることだ。
「そんなささいなことが?」と、驚く人も多いだろう。だが実際、誤解を招いたり悪い印象を与えたりしかねない。
下記は、知人以上、友人未満の間柄のアメリカ人との会話の事例だ。
相手:How was your weekend?
あなた:It was fantastic!(にっこりと答えて、相手の出方を待つ。)
こんな答え方は、実は要注意である。
この会話が、日本人同士だったらどうだろう。そもそも知人レベルの相手と週末の話をするのは、日本では不自然かもしれないが、とりあえず想像してみよう。
相手:「週末はどうでした?」
あなた:「ん~、まあまあでしたね」
相手:「へえ、そうでしたかあ…」
これで十分に会話が成立する。あなたの短い答え方も、特に失礼ではないだろう。
むしろ、相手のほうが、「まあまあでしたね」と答えるあなたの口調や表情、言葉を発するまでの沈黙の長さなどから推し量って、あなたの心理状態や言わんとすることを察するのではないか。
仮に察することができなかったとしても、「まあまあってどういうことですか?」などと聞いたりはしない。それが日本流コミュニケーションの作法というものだ。
それでは、本題だ。あなたの“It was fantastic!”(素晴らしかった)との短い答えを、アメリカ人の多くはどう受け止めるか。