独裁政権が必ずしも正確なデータを公表していると信じてはいけない――特に、内容が素晴らしい経済データの場合は。これは当然だと受け止められているが、従来その問題の深刻さを正確に知る手がかりはなかった。  シカゴ大学ハリススクール(公共政策大学院)のルイス・マルティネス教授が昨年10月に発表した新しい論文は、ある国の経済規模や国力の尺度として用いる国内総生産(GDP)の推計値を、独裁国家がどの程度水増ししているかという点に光を当てた。  鍵を握るのはその「光」だ。衛星画像を通じてある国の放つ夜間の光量が分かると、かなり信頼性の高い経済成長の指標となることが判明した。