「グローバルビュー」のコラムニストを務める筆者が21日午前6時発のチューリヒ行きシャトルバスに間に合うよう、スーツケースを引きずりながら凍り付いたダボスの通りを横断するのに苦心していた時、気温は1桁だった。2020年以来初めて冬に開催された世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)は成功裏に閉幕した。中国からの出席者はほとんどおらず、ロシアからの参加は全くなかったが、インドとペルシャ湾岸諸国からの出席者が十ニ分に穴埋めする形となり、民間セクターの参加者は過去最多に達した。WEFの創設者で主催者のクラウス・シュワブ氏(84)にとって、第53回年次総会は大成功だった。国民に不人気の退職制度改革を推し進めているフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、用心してダボス会議を欠席した。しかし、欧州連合(EU)のウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長と欧州議会のロベルタ・メツォラ議長は、ドイツのオラフ・ショルツ首相とともに主要な演説を行った。日程の最後に開かれた世界経済見通しに関するパネルディスカッションには、国際通貨基金(IMF)総裁、欧州と日本の中央銀行総裁、そしてラリー・サマーズ元米財務長官などの著名人が参加した。
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