合格のハチマキ写真はイメージです Photo:PIXTA

2022年には首都圏の受験者数が過去最多を記録するなど、ますます苛烈を極める中学受験。中には寝る間も惜しんで勉強に励む子どもも少なくないが、受験のプロ教師、州崎真弘は勉強時間だけがすべてではないという。たった5分の予習を心がけるだけで、子どもの負担や学習効率は大きく変わる。いま、子どもに教えたい勉強のやり方とは。本稿は、州崎真弘『中学受験は算数で受かる』(すばる舎)の一部を抜粋・編集したものです。

「5分の準備」で成績は上がる!

 学習姿勢を変えるだけで成績は容易に変わります。その最たる例が、授業前の準備、すなわち、“簡単な”予習です。

 この“簡単な”予習は5分から長くて10分ほどで十分です。やることはシンプルで、「授業前にテキストの授業範囲に目を通す」、これだけでいいのです。

「こんな難しそうな問題をどう先生は解くんだろう」と、例題と解答の流れを見ておき、「わからなくて当たり前!」という姿勢で大丈夫です。

 これは算数に限らずどの教科にも共通することですが、先生の話を聞きながら、自分の頭で考え、理解を深めることができる生徒は当然優秀な子に多く、その中には少し前に登塾して授業にスムーズに入っていけるようにテキストをパラパラめくって覗きこんでいます。

 事前に、ざっと学ぶ内容を確認しておくことで、先生の話が頭に入りやすくなり、出遅れることがなくなります。

予習によって「考える時間」が増え、授業に集中できる

 一方、低学年だったり入塾したばかりで、授業慣れしていない子であれば、少し難しい部分で考えこんでしまったり、右往左往してしまったりして、結局、板書された内容をノートに書き写して帰ってくるようになってしまいます。

 板書をノートに書いているものの、「どうも習ってきているはずのことが頭に入っていないのでは?」と感じていたら、お子さんに是非、授業開始までは“簡単な”予習をさせてください。

 授業で先生の話を遅れずに聞けるようになると、授業時間内に、「考える」という時間が増えていきます。遅れて聞いている子はたいてい授業時間が「ノートをとる時間」か「ボーッとする時間」になっているからです。

 これは重要なポイントで、もしも、「考える」という時間が増えれば、集中して話を聞くことができます。積極的に授業に参加できることで、習熟度がグンと上がります。特に、高学年の演習型の授業では非常に効果的です。