※本記事は2022年10月17日に公開した記事を再編集したものです。人物の肩書や数字を含む全ての内容は取材当時のまま。
目下絶好調のコンサルティング業界。以前から有数の高年収業界だが、最近は人材引き抜き合戦の様相を呈し、外資系ファームなどで給与アップの動きが激化している。特集『高年収&高収益 勝ち組企業大解剖!儲けの秘密と本当の待遇』(全18回)の#10では、その最新事情を具体例とともにレポート。業界内で注目度の高いアクセンチュアについては、ポジションごとの給与レンジの詳細も明らかにした。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
総合系も戦略系も給与爆上げ
職位ごとの具体額を大開陳!
「コンサル業界は成長が続いており、以前より昇進スピードも全般的に速まっている印象がある」。コンサルタントなどの人材紹介を手掛けるコンコードエグゼクティブグループの渡辺秀和CEO(最高経営責任者)は明かす。
デジタルトランスフォーメーション(DX)を追い風に、企業からの依頼がやむ気配はない。そこで外資系ファーム各社の業界の垣根を越えた人材獲得競争も激化し、給与引き上げの動きが続出しているという。
コンサルは大きく、クライアントの全社的な経営戦略策定を担う「戦略系」と、上流の戦略から下流のオペレーションまで手掛ける「総合系」に分かれるが、特に最近勢いが目立つのが総合系。いわゆる「BIG4」(デロイトトーマツ、PwC、EY、KPMG)や、それに並び立つアクセンチュアのような一群だ。
渡辺氏は「給与レンジが基本的に『戦略系>総合系』という構図は以前から変わっていないが、DX関連のプロジェクトで急拡大する総合系ファームが、戦略系に追い付こうとする動きがみられる」と指摘。「特にこの2~3年、優秀な人材に高い報酬を支払える体制を整えたり、部門によっては戦略系と遜色ない報酬水準を用意したりする動きがある」という。
一方で、マッキンゼー・アンド・カンパニーやBCG(ボストン コンサルティング グループ)などに代表される戦略系各社でも、全般的に給与水準は上昇傾向。「戦略系ファーム側も、採用上の競争優位性を高めると同時に、コンサルタントに長く勤めてもらうために、待遇向上の動きがこの2~3年顕著だ」(渡辺氏)という。
次ページでは、総合系と戦略系それぞれにおいて、最新の給与引き上げの動きを反映した職位ごとの年収レンジを具体額で開陳。中でも、急拡大を遂げるアクセンチュアについては、個社の職位ごとの給与レンジの詳細を掲載し、出世の階段と待遇を解剖していく。
外資系コンサルはそもそもなぜ高年収なのか、キャリア上の優位性は今後も続くのか――。実は内部からは、ある共通する死角の予兆も漏れ伝わってくる。
次ページ以降、それらの謎を一挙に解説すると共に、下図の具体額を明らかにします!