部下と上司の男性写真はイメージです Photo:PIXTA

異なる時代背景や価値観のもとで生きる「イマドキ」部下を成長させるには、まず上司が変わるべきだ。イマドキ部下が責任感を持って仕事を進め、彼らの目標達成へのプロセスや結果を適正に評価するためのテクニックについて、福山敦士著『イマドキ部下を伸ばす7つの技術――イマドキ部下を導くにはイマドキ上司になるのみ』(あさ出版)を抜粋し、ひもといていく。

できるだけ早く
部下の本音を聞き出す

 部下には常に、「本当はどう思っているのかを聞く」ことが大切です。

 いつでも、どんなときでも、部下の本音を引き出せる“コミュニケーションの下地”を日頃からつくっておき、いざというときに本音をきちんと引き出せようにしておきましょう。

 その際に重要なのは、スピードです。

 そもそも、すべての上司・部下が信頼関係を100%構築できるとは限りません。心からの信頼関係を結べていない部下に対しては、結論が合っているかどうかよりも、可能な限り迅速に結論を導き出すことが大切です。

 本音を聞き出そうとしたとき、部下があなたに忖度してしまったり、変に気を遣ったりしてしまうと、いつまで経っても真意を引き出せません。

 そこで、それらの気遣いはある程度、無視してもいいよという意思表示を上司側がしておくのがポイントです。

 こうした対応は、相手が本音で話せるようにするための「地ならし」です。

 その上で、何かあったときにその場で「本当はどう思っているの?」(距離感によっては、「ぶっちゃけどう思う?」と聞いても良いでしょう)と聞き、「本当はこう思っています」という証言をとれれば、それがお互いの合意形成となります。

 また、先にこちらから本音を聞いておくことが、納得しながら仕事を進めていくためにも重要と言えるでしょう。

 ただし、口数が少ないとしても、何か不満があるというわけではありません。意外と何も考えていない(興味、関心が薄い)というケースもあります。

部下の「後出しカード」をなくす

 大切なのは、最終的に部下が自ら「頑張ります!」と宣言し、それに対して会社も応えるというスタンスをとることです。

 普段の仕事においても、「この業務について率直にどう思う?」などと聞き、「この仕事はやりたくないです」「これも僕がやるんですか?」という本音を引き出すことで、そこからさらに「どうして、そう思うの?」と突っ込むことができます。

「だって、あの先輩が暇そうにしているじゃないですか」「彼にやらせればいいじゃないですか」などと答えたら、「実は、あの人はこういう仕事をしているんだよ」「君の見えていないところで他の責任を背負っているよ」と、丁寧に説明します。