部下に「意識改革」を訴える上司の致命的な勘違い「いくら言ってもわかってくれない」と嘆く経営者や管理職の大きな勘違いは、「言えばわかる」と思い込んでいること。意識改革のために彼らがすべきこととは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「今こそ、一人ひとりの意識改革が必要だ」。組織が環境変化の波にさらされるたびに連呼されるのが「意識改革」という言葉です。しかし、頭の中で固定されている人の意識は、そう簡単に変わるものではありません。「いくら言ってもわかってくれない」と嘆く経営者や管理職の大きな勘違いは、「言えばわかる」と思い込んでいることです。意識改革のために彼らがすべきことは別にあります。(アークス&コーチング代表 櫻田 毅)

「意識を変えてほしい」という上司の言葉に戸惑う若手

「上司から、もっとスピードを意識して仕事をするようにと言われるのだが、イマイチ響かなくて」――というのは、ある企業の若手社員の言葉です。

 急速な環境変化についていくためには、これまで以上のスピード感で仕事をしなければダメだ。もっと意識を変えてほしいとのこと。「でも、別に手を抜いてタラタラやっているわけではないのですけどね」と、戸惑いを隠せない様子です。

 この社員の気持ちは、よくわかります。なぜならば、人の意識は上司から言われたぐらいで、そう簡単には変わらないからです。だからといって、何もしないのでは、上司として失格です。環境変化に応じて、チームの意識を変えていかなければならないのも事実なのですから。

 これらの点を踏まえた上で、部下に意識を変えてもらいたいと思う上司は、何をすればよいのでしょうか。