ウォール街では今、最近の楽観ムードが米経済にどれだけ影響を与えるかに注目が集まっている。景気が大きく落ち込まなくてもインフレの減速は継続可能との期待に後押しされ、S&P500種指数は年初来で約7%高となっている。3日には強い米雇用統計を受けて下落したが、それでもこれだけ上昇している。米国債価格も急上昇(利回りは急低下)し、指標となる10年債利回りは6日に3.63%へ低下した。昨年末は3.83%程度で終えていた。だが、この上昇相場が不安を招いている。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は先週の記者会見で、最近の市場動向が借り入れを容易にし、消費を促していることから、インフレ抑制という任務の遂行が難しくなっているのではないかとの質問を何度も受けた。この質問は、ウォール街でよく聞かれる懸念と同じだった。
米経済、左右するのは市場かFRBか
エコノミストの間でも意見が二分
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