「何が重要で、どこまでこだわるべきなのか」を考える
ところが、山本さんは次のように指摘します。
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これを仕事に置き換えると、なぜか『枝の枝の枝』から考え始めてしまうケースが少なくありません。そうなる理由は、実に単純です。仕事になると、多くの人が「何のためにそれをやるのか」という本質的な仕事の目的=「幹」の部分を理解もせず(理解しようともせず)指示されたことをこなせば良い、と思う人も少なくないからです。
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ではなぜ、仕事の場面になったとたんに「幹」を見失ってしまうのでしょうか?
先ほどの旅行の例に戻りましょう。「暖かくてきれいな浜辺でオーシャンリゾート気分が楽しめる」という欲求=「幹」をシンプルに眺めると、満たせる旅行先の選択肢はハワイやセブ島だけでなく「沖縄」も候補になり得ます。そもそも「海外」という制約条件があるわけではないので、海外にこだわる必要がなかった、ということです。
仕事も、旅行プランの話と同様に、「幹」から「枝」の順へとロジカルに思考を進めていくと無駄がなく、ズレもない価値を提供しやすくなります。
日々のタスクにも「幹」を意識する
日々のタスクレベルにおいても、本質的に問われている「幹」と、それを実現する手段である複数の「枝(変数)」に因数分解することができます。
日々の業務が忙しい、あるいは「みんなそうしている」などといった思い込みから、漫然と目の前のタスクを“処理する”ケースがしばしば見受けられますが、山本さんは「あなたに与えられたタスクには、必ずその理由や目的は存在します」と言います。
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まずは自分の頭でそのタスクが存在する意味を考えてみる。その本質を考えてからタスクに取り組めば無駄な作業も排除でき、その本質に資する部分だけ仕事を進めていける様になるのではないでしょうか。そのタスクの中で何が必要で、何が不要かをその時点で既に精査できているはずだからです。また、タスクの存在理由をグリップできると、あなたが依頼されているタスク内容を超えた“付加価値”までを提供することができる様になるのではないでしょうか。
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