コロナ禍の下で生産性が上昇したと
回答した英国企業の割合

リモートワークが分けたコロナ禍下の勝ち組と負け組、コロナ後の生産性は低下コロナ禍の下で生産性が上昇したと回答した英国企業の割合 出所:N.Bloom他「The impact of Covid-19 on productivity」(2022年7月)

 コロナ禍は経済活動に不可逆的な変化をもたらした。特にリモートワークの普及は、柔軟な働き方の選択肢として定着する見込みで、コロナ後の経済の生産性上昇に大きく寄与するとの期待も高まる。

 確かに英国の中央銀行のワーキングペーパーによると、英国企業へのサーベイで約3割の企業がコロナ禍の下で主にリモートワークの活用によって労働生産性が上昇したと回答した。

 ただ、リモートワークへの転換が可能な職種や産業は高付加価値のサービス業などに限られる。サーベイでは7割の企業はコロナ禍でむしろ生産性が低下したと回答した。ソーシャルディスタンスやロックダウンで売り上げが伸び悩み、サプライチェーンの混乱など供給面の制約も足を引っ張った。