国際社会で現在起きている一連の出来事は、大国間の関係の危うさを浮き彫りにしている。ロシアと中国は米国主導の世界秩序に挑み、一段と状況が悪化しかねないとの懸念が強まっている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は21日、米ロ間の核競争を制限する最後の主要な協定である「新戦略兵器削減条約(新START)」への参加を停止すると表明した。現在、冷戦後のどの時期よりも緊張が高まっている。プーチン氏が演説で軍縮を脅かす発言をした前日、米国のジョー・バイデン大統領はウクライナで「絶え間ない支援」を表明していた。プーチン氏はロシアの存亡に関わる戦いだと考えている。中国も黙ってはいない。中国外交トップの王毅氏が独ミュンヘンでの安全保障会議で米国を非難した後、ロシア政府関係者と会談するため21日にモスクワに到着した。事情に詳しい複数の関係者によると、王氏はプーチン氏と中国の習近平国家主席の首脳会談を提案するとみられている。