2016年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの奇跡』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

世界標準の子育てPhoto: Adobe Stock

安心して自分の力を無限に伸ばしていくには?

 植物学者の野澤重雄さんは、遺伝子操作も、最先端のバイオテクノロジーも、特殊な肥料も使わず、約「1万3000個」も実がなるトマトの巨木を育てた人で、「科学万博つくば85」にも、それと同じ方法で育てたトマトが展示されたと聞きました。

 トマトづくりをしている知人に聞いたところ、普通、1本の苗木から収穫できるトマトの数は、25個前後。

 実が小さくなることを覚悟して育てても、50~60個が限度らしいので、野澤さんのトマトの木が、いかに大きいかがわかります。

 生長の初期段階に十分な、栄養、水分、温度などがないと、トマトの木は「おやおや、この勢いで生長するとマズイことになるかもしれないぞ。少し抑えて、このくらいでやめておこう」と判断して、生長をゆるめてしまうのでしょう。

 しかし、十分な栄養、水分などを与えて、「どんどん生長していいんだよ」という情報を与えると、トマトは「安心して」、どんどん生長するといいます。

 もしかしたら、人間にも、同じことがいえるのかもしれません。

 トマトを人間に置き換えてみると、成長の初期段階とは、幼少期です。

 この時期に親の愛情に包まれて、「自分の持っている力を、どんどん無限に伸ばしていっていい」という情報を与えられた子どもは、安心して自分の力を、無限に伸ばしていくのではないでしょうか。

「子どもが夢中になっていること」を邪魔しなければ、無限に伸びていく

「どうせ、たいしたトマトにならないわよ(どうせ、たいした才能はないわよ)」
「隣のトマトよりも大きくならなくちゃダメよ(ほかの子に負けちゃダメよ)」
「頑張って、トマトからメロンになってね(頑張って偉い人になってね)」

 と言ってしまうと、才能の成長を妨げてしまいます。

 そうではなくて、子どもの弱い部分も失敗も丸ごと受け入れて、

「どんなあなたでも、すばらしい」
「あなたの好きなこと、夢中になっていることをどんどん追求していいのよ」

 と子どもを認めて安心させる。

 何かができたときや、いい子にしているときだけではなく、どんなときでも子どもを認める。

 すると、子どもたちは、「持って生まれた才能」を思う存分に、無限に発揮するようになります。

「やっていると楽しくてワクワクすること」「夢中になれること」が、その子の才能とつながっているようです。

 土いじりが好きな子は、陶芸家になる才能を持っているのかもしれません。

 虫を追いかけるのが好きな子は、すばらしい昆虫学者になるかもしれません。

 いつも何かを考えている子は、偉大な哲学者になるかもしれません。

 大切なことは、子どもが夢中になっていることを邪魔しないことです。

 1. 子どもを丸ごと受け入れて、決して否定しない
 2. 子どもが夢中になっていることを十分にやらせる
 3. あなたには、すばらしい力があるということを、子どもに伝える 

 この3つを心がけて子どもと接していけば、子どもたちの「才能の扉」は自然と開かれていくでしょう。

 どんな子どもでも、計り知れない「無限の力」を持って生まれてきています。それを生かすには、親が子どもの才能を信じ、応援してあげることなのです。