「モンスター企業」から身を守る調査法

 創業の精神や社訓は立派なのに、社員の眼が死んでいる――。サービス残業が常態化し、給料を時給換算すると最低賃金を下回る――。こうした、明らかなモンスター企業を避ける方法から解説していきます。

 なお、モンスター企業の特徴は、厚生労働者が「『ブラック企業』ってどんな会社なの?」という質問について答えている内容を参考にします。

(1)労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
(2)賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
(3)このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。

 さて、モンスター企業を避けるポイントは、国の力を借りることです。いくつか方法はありますが、まずは正規の調べ方から紹介します。

 一つ目は、厚生労働省が公開している「労働基準関係法令達反に係る公表事案」です。調べ方はいたってシンプル。「労働基準関係法令違反に係る公表事案 令和4年」と検索サイトに打ち込むだけ。こちらには、法令違反した企業が掲載されています。

 掲載されているのは、大手企業や有名企業だけではありません。メディアが報じない中小・中堅企業の実態もわかります。

 掲載されている情報は「企業・事業場名称」「所在地」「公表日」「違反法案」「事業概要」「その他参考事項」です。「企業・事業場名称」を見れば、そもそも法令達反をする企業の求人に応募しなくても済みます。「事案概要」を読めば、その法令違反がどれくらい悪質なのか、慢性的なのかがわかるでしょう。