米顧客関係管理(CRM)ソフトウエア大手セールスフォースが経営効率を重視する姿勢を鮮明にしている。高い売上高の伸びを追求し、支出にはさほど目配りしてこなかった過去数年からは大きな転換だ。利益率改善を託されたメンバーの一人、ブライアン・ミルハム最高執行責任者(COO)兼社長は効率性が鍵を握ると話す。具体的にはチームを縮小し、買収した企業の統合を進め、新規顧客の誘致ではオンラインポータルやセルフサービス型のツールを活用する。背景には、成長の勢いが鈍り、投資家からの要求が強まっていることがある。ミルハム氏は入社13番目の社員で、クラウドビジネスの先駆者としてセールスフォースが時価総額1900億ドル(約26兆円)の大企業へと育つ姿を見守ってきた人物だ。急ピッチの成長が、巨額のマーケティング費用を注ぎ込む企業文化や顧客との接触に多くの人員を割り当てるアプローチを可能にしてきた。だが、ミルハム氏はインタビューで、経営手法を見直し、新しいことを試す必要があると話す。「配置する人員の数について一段と賢明になれると思う」
効率化に目覚めたセールスフォース 勝算は
有料会員限定
あなたにおすすめ