来店型生命保険ショップ(乗り合い代理店)の最大手、ほけんの窓口グループの上場が、無期限の延期に追い込まれていることが13日までに、週刊ダイヤモンド編集部の取材で分かった。
複数の関係者によれば、同グループの今野則夫社長が、国税庁に脱税容疑で査察を受けていることが要因という。
容疑は、今野氏の不動産取引を巡る消費税法違反で、脱税額は数千万円に上ると見られている。国税庁は目下、刑事告発も視野に調べを進めており、水面下で東京地方検察庁とも情報を共有しているという。
関係者によれば、査察は昨年4月から複数回行われ、東京・渋谷の新名所「渋谷ヒカリエ」にあるほけんの窓口本社もその対象となった。社長室にあった机までが押収され、今野氏は現在も、月に数度、国税局の調べを受けている最中という。
別の関係者によれば、ほけんの窓口は昨年中の上場を果たすべく、その準備を進めていた。ところが、国税庁から査察を受けたことにより、早期の上場は、ほぼ絶望的な状態になったという。「仮に脱税で在宅起訴などとなれば、上場自体が夢と潰えかねない」(関係者)。
ほけんの窓口は、直近の2年余りの間に店舗数を倍増させ、2月現在、グループ全体で全国約370店舗を展開中。急成長を続ける保険ショップ業界の中でも断トツだ。その年間営業収益は、220億円超で、今や中堅生保会社に迫る勢い。一方、年間25億円近い広告費を投じ、CMには人気若手俳優を起用するなど、一般の知名度もうなぎ登りとなっている。