米国がサウジアラビアとイスラエルの国交正常化を実現しようと努める中、サウジは米政府に対して安全保障の確約と民生用核開発の支援を求めている。両国間の協議に携わる複数の関係者が明らかにした。ジョー・バイデン米大統領とベンヤミン・ネタニヤフ首相にとって、イスラエルとサウジの国交正常化交渉は優先課題となっている。背景には、核開発とウクライナに侵攻したロシアへの軍事支援を続けるイランとの対立が先鋭化していることがある。関係者によると、バイデン政権はこの複雑な交渉に深く関与しており、いかなる合意も中東の政治情勢を一変させる可能性がある。ただ、サウジによる安全保障と核開発の協力要請は、一部の米議員が反対を表明する可能性が高く、合意に立ちはだかる障害となる。サウジ政府も、アラブ諸国から非難を浴び、イランとの緊張関係を悪化させるような合意を結ぶことに慎重姿勢を崩していない。