ホワイトハウスはジョー・バイデン大統領の2024会計年度の国防予算は過去最大だと宣伝しており、多忙な米国民はニュースの見出し以外は気にしないとバイデン氏は踏んでいる。実際には、米国が遅ればせながら世界の新たな脅威に気付きつつあるにもかかわらず、同氏は国防費の実質的な削減を求めているのだ。  米国防総省が求める予算は8420億ドル(約114兆5120億円)で、巨額に思えるかもしれない。しかし、この金額は前年度予算比3.2%増にとどまり、インフレ率が6%であることから、同省の購買力は低下することになる。この3.2%という増加率を、国内支出項目の2桁の伸びと比較してほしい。