エネルギー価格が世界経済を揺るがすのは、この1年で2回目となる。ただし、今回は朗報だ。原油と天然ガスが値下がりしたことで、経済成長が支えられ、消費者の懐が潤い、景況感が改善している。政府予算への圧力も和らいでいる。ロシアがウクライナに侵攻し、欧州をはじめ世界各地で深刻な景気後退が懸念された1年前のエネルギー価格ショックとは逆の現象となっている。エコノミストらによると、米国と欧州で今年発表された経済指標が予想外に好調な一因は、エネルギー価格の下落にある。今後の経済成長を見極める指標として注目度が高いS&Pグローバルの企業調査では、欧米の購買担当者がここ数カ月で最も楽観的であることが示されている。