――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」金利の上昇は銀行の流動性問題を引き起こした。一方で、金利の低下は銀行の収益問題につながる可能性がある。銀行に対する懸念が急激に高まった結果、利回り曲線が本来の形状に戻りつつある。トレーダーが米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース減速を織り込んでいるためだ。米国債利回りの下げ幅は、長期債よりも短・中期債の方がはるかに大きい。利回り曲線はおおむね逆イールドを維持し、短・中期債利回りの大半は長期債利回りを上回っているが、その差は縮小しつつある。タレットプレボンのデータによると、米シルバーゲート・キャピタルが事業閉鎖を発表し、米SVBファイナンシャル・グループが増資の意向を明らかにした3月8日、2年債利回りは10年債利回りを1ポイント余り上回っていた。この差は現在、0.4ポイント近くまで縮まっている。
米金利低下、銀行の頭痛の種に
短・中期債の利回り低下が収益を圧迫する恐れ
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