なぜ頭のいい人の会議は短いのか？

日常会話やメール、文書、プレゼン……自分の伝えたいことがうまく伝わらない、と思うことはないだろうか。そんな人にぜひ読んでほしいのが、2023年2月15日発売になった『ひとこと化──人を動かす「短く、深い言葉」のつくり方』（坂本和加著）だ。著者の坂本氏は「カラダにピース。」「行くぜ、東北。」「WAON」など数々の名コピー、ネーミングを生み出している。本書では、坂本氏が20年以上のキャリアで身につけた、「伝える」ための思考法、技術を余すところなく紹介。今回は本書の発売を記念して特別に一部内容を再編集、抜粋して紹介する。

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建前ではなく、「本音」で進めている

私が打ち合わせでよく思うのは、みなさんがそれぞれの立場で「多くのものを抱えすぎている」ということです。

その原因は、建前やメンツなどの「諸般の事情」のようなもの。

誰でも人とのかかわりの中で仕事をしているので、どうしてもしかたがないこともあると思います。

○○の事情があるので、あれも入れたい、これも入れたい……。

けれど、前が見えないほどの荷物を抱えたまま前に進もうとしてもそれは無理。

諸般の事情は一度全部取り除いて考える。それからどうすればいいか、考えてみるといいのではないでしょうか。

一流の方の集まる打ち合わせでは、建前よりメンツより、本音で進みます。

雑念を手放せば、「伝えたいこと」が見えてくる

思えば、かつての私もイマイチなコピーライターでした。

3、4年目ごろまで、何かと荷物を抱えてしまっていました。

常に短い言葉が求められる仕事なので、優先順位を考え、そぎ落とすべき情報を精査しようとしていました。結果的に、コピーは何も書けません。気づけば朝です。

書いても不安になります。できた、とならない。

企業側の担当者が「この情報は入れないのですか？」と不安になるのと同じです。

その言葉を削っていい理由を、そもそも自分自身に対しても、明確に説明できないからです。

ほんとうは、常に明確な理由を持って言葉を探しにいく。これが正解です。
そのほうが、圧倒的にラクです。

諸般の事情は雑念にしかならないので、まずは手放しましょう。

すると、「ほんとうに伝えたい一点」が見えてきます。

（＊本稿は『ひとこと化──人を動かす「短く、深い言葉」のつくり方』より一部抜粋、再編集したものです）

『ひとこと化──人を動かす「短く、深い言葉」のつくり方』は、自分の思考を深めて「ひとこと」に凝縮するための方法を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

新刊書籍の紹介

『ひとこと化──人を動かす「短く、深い言葉」のつくり方』坂本和加著　定価1650円（本体1500円＋税10％）ダイヤモンド社

本書の主な内容

◆第1章 「一番言いたいこと」を見つけよう
1 ひとことにすることは、文字を削ることではない
2 「スルーされない言葉」にするには？
3 書く力を圧倒的に上げる
「自分にキャッチコピーをつける」練習
4 嘘なく、ほんとうのことを伝えるには？
5 ひとことで言えると、売れる、口コミされる
6 ゴールは「伝えたいほんとうの想いが、
正しく伝わる」こと

◆第2章 ひとこと化の思考法
7 ひとこと化は思考9割、技術1割
8 さまざまな視点で考えよう
9 ヒアリングは寄り添い重視で
10 「なんのためにそれをするのか」を考える
11 ひとこと化の5つのステップ
12 すべてのものごとには「根っこ」＝本質がある
13 アンテナを立てて暮らそう
14 「みんな目線、世の中目線」を取り入れよう

◆第3章 ひとこと化の表現法
15「書けない！」思い込みを手放そう
16 こころ日記をつけよう
17 いよいよ言葉を紡いでいこう
18 書くときの表現ルールを決める
19 常識を壊すキーワードは「想像力」
20 「いい、言い換え」をしよう
21 想像力に強いドライブをかける「思いやる力」
22 言葉を磨く5つの検証ステップ
23 発信すれば、言葉は勝手に羽ばたく
24 時代の風を味方にするには？
25 ひとことを書くとき

◆第4章「伝わる言葉」に共通するもの
26 自分を知らなければ、伝わる言葉で話せない
27 思ったことは、言葉にしてからやっと伝わる
28 優秀な経営者ほど「自分の言葉」を持っている
29「なんのために」が大事
30 ひとことは、ブランドのはじまり
31 人はいつだって、何かになりたい