自分の考えていることが、うまく人に伝えられない」「人とコミュニケーションをとることに、苦手意識がある」と悩む方は多くいます。しかし、その悩みこそ「相手とよい関係を築き、人を動かす」ための第1歩に変えられるのです。『超完璧な伝え方』の著者、4代目バチェラー・黄皓氏による「誰とでもスマートに人間関係を築く」ための簡単なテクニックを紹介します。

頭のいい人が断る時「冷たい」と思われても絶対言わないことPhoto: Adobe Stock

すぐに、大きな声で、明るくはっきり断る

もし「嫌なお願い」をされたら、どう断ればよいでしょうか。

相手との関係を考えると、断るときも言い方に気を使ってしまいますよね。

実は、悩む必要はありません。ベストな断り方はいたってシンプルです。

「すみません! できません!」とすぐに断るだけです。

コツは、明るく大きな声で、はっきりと伝えること。

私も「すごく頼みづらいんだけど、お金を貸してほしい」と知り合いから頼まれたことがあります。しかも結構な額を来週までに欲しいとのこと。

「ごめん! 無理だわ」と即座に答えました。

できないことはできないと、きっぱり伝えましょう。

お互いにとって時間も無駄にならず、心理的な負担にもならない一番いい方法です。

はっきり断りつつも、ちょっとだけフォローを入れる

ただし、「お金は貸せないけど、どうしたの? 何か力になれそうなことがあったら協力するけれど」同時にフォローもしています。

あまりにもズバッと断ると「血も涙もない冷たい人間」に思われてしまうからです。

もし大事な友人や知り合いであれば、断ることでその後の関係性を悪化させたくはないですよね。

だから、頼まれたことについては断りつつも「あなたのことは心配しています」という面も見せることがポイントです。

「相手の事情に深入りする」のはNG

どうしても「冷たい人間だと思われたくない」という方もいるでしょう。

たしかに、断られた相手は「冷たいな」と思うかもしれません。

ただ、断ることを決めた時点で多少は「冷たい人間」になる覚悟が必要です。

この本でお伝えした、目的達成と過程の関係を思い出してください。

もし、「冷たい」と思われたくないのであれば、無理をしてでも相手の願いを叶えてあげなければいけません。

「それはできない」、「そこまではしたくない」と思うのであれば、相手より自分を優先していることも事実。相手に「冷たい」と思われても仕方がないのです。

よくないのは、嫌われたくないからと相手の事情に深入りしてしまうことです。

お金を貸してほしいと言われたとき、ハッキリと断らないまま「急にどうしたの? 話を聞こうか?」と事情を聞いてしまうと、「もしかすると貸してくれるのかも」相手の期待値も高まります。

そのうえで、「そんな事情があったんだ。気持ちはすごくよくわかる。できればお金を貸してあげたいんだけど、自分にとっても大切なお金だし、すぐに用意もできないから、やっぱり貸してあげることはできない」と様々な理由をつけて断ってしまうと、期待値が上がっていた分、相手の落胆も大きくなってしまいます。

マイナスのギャップによってお互い心理的に疲弊してしまいますし、感情的になってその後の関係性にもヒビが入りかねません。

今後の関係のためにも、「すぐに明るく断る」のが一番なのです。

(黄皓著『超完璧な伝え方』から一部を抜粋・改変したものです)