高齢ドライバーの事故リスク予測、現行の認知機能検査より別のテストが有効な可能性Photo:PIXTA

 高齢ドライバーのアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故リスクの予測には、現在、免許更新時に行われている認知機能検査よりも、簡単なシミュレーションによるテストの方が優れている可能性が報告された。東北大学未来科学技術共同研究センター/高齢者高次脳医学研究プロジェクトの目黒謙一氏、熊居慶一氏の研究によるもので、詳細は「Dementia & Neuropsychologia」に11月4日掲載された。

 高齢ドライバーの交通事故対策は、喫緊の社会的課題となっている。対策の一環として現在、75歳以上で免許を更新する際に認知機能テストと、一定の交通違犯歴がある高齢者には技能検査も行われる。ただし、現行の制度で把握可能な認知機能や運転技能の低下で、高齢者事故の原因の全てを説明できるとは限らない。目黒氏らは、高齢者の交通事故多発の原因の一つとして、アクセルとブレーキの踏み間違いや、その動作の反応時間の延長が関連している可能性を想定し、以下の研究を行った。