乳がんだけじゃない?マンモグラフィで早期発見できる「重大な健康リスク」とは【12.5万人のデータを検証】写真はイメージです Photo:PIXTA

マンモグラフィは心血管疾患の早期発見にも有効?

 マンモグラフィによる乳がんの定期検診で明らかにできるのは、乳がんの兆候だけではない可能性があるようだ。新たな研究で、マンモグラフィは、女性の最大の死因である心血管疾患(CVD)の兆候を早期段階で検出するのにも役立つ可能性が示唆された。

 人工知能(AI)を用いてマンモグラフィ画像から測定した、乳房組織の中を通る動脈に蓄積したカルシウム(乳房動脈石灰化〔BAC〕)は、主要心血管イベント(MACE)および死亡の独立した予測因子であることが示唆された。

 米エモリー大学放射線医学部門教授のHari Trivedi氏らによる研究で、詳細は「European Heart Journal」に3月9日掲載された。

 米国では、毎年4000万人以上の女性がマンモグラフィを受けていることから、この研究結果は大きな影響を与える可能性がある。

 これまで何十年もの間、医師らはマンモグラフィで認められるBACの存在に気付いていた。しかし、この情報が心臓の状態を評価するために活用されることは、最近までほぼなかった。こうした中、AIの登場により、BACはより正確に、かつ大規模に測定できるようになった。 

 女性の多くは、女性の健康にとって最大の脅威は乳がんだと誤解している。しかし、CVDの方がはるかに多くの女性の命を奪っているのが現状だ。

 実際、米国心臓協会(AHA)の最近の報告によると、女性のCVD患者数は増加しているが、CVDリスクに対する意識は近年、低下傾向にあるという。こうした問題が、Trivedi氏らによる今回の研究のきっかけの一つとなった。