米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、米国の銀行システムは安全であり、FRBはインフレを抑制することができると国民に知ってほしいと考えている。運が良ければ、その両方とも真実かもしれない。ともあれこれが、いわば「難事を成し遂げるため」に今週行われた会合についての楽観的な見解だ。FRBは22日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25ポイント引き上げ4.75~5%とすることを決定した。このところの銀行パニック前に市場が予想していた0.5ポイントの引き上げ幅を下回るもので、将来の利上げの可能性に関するFOMCの表現も軟化した。同日に発表されたFRB当局者の金利見通し(中央値)は、年末の水準を5.1%に据え置いた。つまり、利上げサイクルはあと1回で終了するようだ。