韓国で50万部の超ロングセラーが発売から7年、いよいよ日本に上陸。韓国で社会現象を巻き起こした『勉強が面白くなる瞬間』。この本を読んで、学生の98.4%が「勉強をしたくなった」と証言! なぜ、勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか。10代~70代の世代を超えて多くの人が共感。そこにノウハウは一切ありません。ただ、この本を読んだ人にはわかることでしょう。執筆に8年かかったとされる『勉強が面白くなる瞬間』から、その驚くべき内容を紹介する。
今回は、『おうち遊び勉強法』の著者・ぎん太氏とお母さまにインタビュー。『勉強が面白くなる瞬間』は、韓国の進学校に通う生徒の必読書といわれている。この本がどう映ったか、現役の開成高校生と親御さんに聞いてみた。

親が子に伝えたい勉強の話Photo: Adobe Stock

勉強は成績を上げるためにするんじゃない

親が子に伝えたい勉強の話ぎん太
ほぼ塾なし中学受験で開成中学に合格。開成高校に在学中の現役高校生。with classでコラム「賢さ控えめ開成ボーイ ぎん太の家族とおうち勉強法」連載中。母が考えた勉強法や家族のこと、学校生活をゆる~く綴っています。著書「偏差値40台から開成合格!自ら学ぶ子に育つ おうち遊び勉強法」がSNSで大ブレーク!

――私自身、パズルをやることがありますけど、無心になれる効果があると実感しています。『おうち遊び勉強法』でも紹介されていましたが、パズルは勉強に効果的でしたか?

ぎん太 僕は忍耐力はないんですけど、集中力はあります。なぜ集中力があるのか考えてみると、スポーツや遊びに集中した経験が生きているのだと思います。上の弟はパズルが大好きで、長時間夢中でやっていました。

 勉強やテストに長時間ミスをせず集中して取り組めるのは、小さい頃、遊びやパズルで身についた集中力が勉強でも生きているからだと感じています。

――子が集中しているとき、親が中断させるのがよくないという話を聞きます。

ぎん太母 遊びに集中していたとしても、少しは待ちますが、「帰るよ」「ご飯だよ」「寝るよ」という場面では普通に中断させます。

ぎん太 やめさせられても、悔しいので後でやります。邪魔されて集中が途切れても、「面白い」「やりたい」と思っていればまた始めるし、集中できますしね。

――語彙力を増やすために意識したことはありますか?

ぎん太母 赤ちゃんのとき、まず教えたのは身体の部位です。それから「痛い」「熱い」「冷たい」「暑い」「寒い」「かゆい」などの身体の感覚。病気やケガなど、私やお医者さんに病状を伝えられるようにと思って。それから感情や状況を説明する言葉に気をつけました。

 ぎん太が幼い頃、マイナスの感情を全て「嫌な気持ち」と言っていました。「嫌だった」ことは伝わるけど、「悲しい」のか「悔しい」のか……「さみしい」「羨ましい」「理不尽だ」「腹が立つ」「失望してる」など、どう嫌なのか、子どもの気持ちが知りたかったし、私が見ていない間に何が起こったのか説明して欲しかった。だから、語彙力をつけるように意識していました。

ぎん太 僕は四字熟語や慣用表現、それを知ったら、すぐ使うようにしていました。とにかく使うことで、習慣になっていったと思います。

 使っていると、身につく語彙力を伸ばすには、実際に使って、自分のものにするしかないですからね。

――語彙を増やす一方で、絶対に言わないと決めていた言葉はありますか?

ぎん太母 本人の好きなことや、やりたいことを止めたり、否定したりする言葉は絶対に言わないようにしていました。

 ぎん太が「俺、バンドマンになる!」と言ってきたとき、夫は「えっ……『勉強したいから開成に行かせてくれ』と言っておきながら、バンドマン?」と言いかけましたが、「全力で応援するから、そのために今、何をすればいいのか一緒に考えよう」と答えました。

 本人はジョークだったみたいですが、「ダメ」とか「無理」といった言葉は言いませんでした。私は子どもの頃「獣医さんになりたい」と言ったとき、親に「あんたなんかになれるわけない」と言われて一気に勉強に対してだけでなく、人生に対してもやる気を失ったことがあります。自分の子どもには同じ思いはさせたくないので、これからも何をしても、応援しようと思っています。

――「死なせない」という子育ての目標も印象的でした。

ぎん太母 子どもを産んでから「生きててよかった、幸せだな」と思えるようになりました。子どもたちをいっぺんに失ったら、次の日自分も死ぬだろうと思います。幸せをくれて感謝しているから幸せにしてあげたいし、絶対に私より先に死なないで欲しい。何をするにも、その考えが軸になっています。

ぎん太 「生き延びるチャンスを増やすには……」と教えられることが多かったので、自分が後輩などに何かを教えるときにも極端に悪い例えを出してアドバイスすることが多いみたいで、「教え方が独特」と言われることがあります。母の影響かな(笑)

ぎん太母 小学3年生のとき「何をしているときが1番楽しい?」と、お友達のお母さんに聞かれて、「本を読んでいるときが1番楽しい。楽しいだけじゃなくて身についた知識のおかげで危険な目に遭ったときに助かるかもしれないから」と答えていたんです。

 同じように勉強したいという思いに繋がったのだと思います、勉強は成績を上げるためにするんじゃなくて、より良く生きるためにするのだと理解していました。勉強も読書もスポーツも、すればするほど武器が増えていくイメージです。みなさんにもそう思って欲しい。最強の装備を身につけて生き抜いて欲しいです。

――親の思いが子に伝わっているのでしょうか。

ぎん太 『勉強が面白くなる瞬間』の最後の章はよかったですね。親が子に対する思い、わかるようでわからない。けれども、親がどういう気持ちか、わかった気がします。まるで、僕のために言ってくれているように感じました。

 僕に対する両親の想いを、これからはかみしめて生きていかなければと思いました。

ぎん太母 なぜ『勉強が面白くなる瞬間』がベストセラーになったのかわかる気がします。親が子に伝えたいことが詰まってると思いました。

 昨夜、『勉強が面白くなる瞬間』の感想を話し合っていて、「ぎん太は中学に入ってから何年も、授業中もゲームしたり居眠りしたり、課題出さないし、夜中まで友達とおしゃべりしてゲームして遅刻しまくってた。ぎん太が毎日遊んで暮らしているそのお金は、パパがプライドを傷つけられて理不尽に耐えて、家に帰れず時間を切り売りして稼いだお金だね。ぎん太は半月も休みなしで、1日14時間も働いてるパパのことをどう思う? パパは自分1人のためだったら、こんなに大変な仕事しなくてもいいのに、家族のためにずっと働いてる。ぎん太は昨日2時間勉強して『今日すっげー頑張った!』って言ってたけど、1日14時間「ぎん太は頑張ってる」って信じて頑張ってるパパのこと、どう思うの?」って、泣きながら聞きました。

ぎん太 「マジで勉強しようと思う」って言いました。言葉では理解していたけど、本を読んで話し合って、身に染みました。「あのとき、こうしていれば」って考えている暇があるなら今すぐやるべきだと思いました。

 この本は、勉強へのモチベーションを上げてくれる内容なので、その日の勉強を始める前に、または朝、自分を鼓舞するために読んだらいいんじゃないかなと思います

(取材・構成/編集部 武井康一郎)

(本原稿は書籍『勉強が面白くなる瞬間 読んだらすぐ勉強したくなる究極の勉強法』をベースにした、インタビュー記事です)