近年、「頭の回転の速さの象徴」としてお笑い芸人が多くの場面で活躍をしている。そんなあらゆるジャンルで活躍をし続けるお笑い芸人たちをこれまで30年間指導し、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも話題になった伝説のお笑い講師・本多正識氏による1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』が発刊された。ナインティナインや中川家、キングコング、かまいたちなど今をときめく芸人たちがその門を叩いてきた「NSC(吉本総合芸能学院)」で本多氏が教えてきた内容をビジネスパーソン向けにアレンジした『1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』より、本文の一部を抜粋・再編集しお届けする。

会話するグループPhoto: Adobe Stock

空気をよくする人は自分の意見を上手に伝える

 まわりに空気をよくする人がいます。会社であればその人がいるだけで雰囲気が良くなったり、仲間内でもその人がいると盛り上がったりします。

 そういった人たちは「自分の意見」を伝えるのが非常に上手です。大事なことはしっかり伝えながらも、相手が不快になるような言い方を絶対にしないので、「芯はあるけど、柔軟な人」という評価を得ることができるのです。

自分の意見は5秒以内にまとめる

 まわりに空気をよくする人は自分の意見を伝えたいときに「5秒」にまとめています。意見を5秒で言うのは難しいと思われるかもしれませんが、大事なことだけを5秒で伝えることは実は可能です。

 たとえば、話題が「来季の営業目標について」なのであれば、「来季は1000万円の売上が目標です」は5秒で伝えられます。大事なのは先に結論を伝えることです。

 理由は結論を伝えたあとに丁寧に説明すればいいでしょう。できれば理由も5秒ずつで繋げていくのが理想です。

 たとえば「今期は800万円達成できたので、次は大台に乗せたい」「新規の顧客が見込めそう」など、理由も5秒で繋げていきましょう。

 短く話を区切ることで、意図的に相手が口を挟みやすくする余裕をつくることができます。これが大事なのです。

 たまに、話は面白いのに会話としては盛り上がらない人がいますが、それは相手に話をさせる隙間を与えないがためにコミュニケーションになっていないのです。まるで漫談を見ているかのような気分になります。

 自然と空気をよくする人は自分の意見を伝えつつも人が割り込んで来やすいよう会話の余白を作ります。意識するだけで効果があるのでぜひ試してみてください。