写真:1万円札を持って喜んでいる女性写真はイメージです Photo:PIXTA

子どものアルバイト代が103万円を超えて、子どもが「特定扶養控除」の適用外になったら、親の税金負担はどれほど増えるのか。試算してみたところ、衝撃的な結果になった。子どもたちの間では「130万円まで大丈夫」という口コミ情報があるようだが、要注意なのでそれについても解説したい。「親の税金負担アップにならない子どものバイト代の上限」は絶対に気を付けたいポイントだ。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)

子どもがバイトを頑張り過ぎた結果
父さんは16万円の納税

 数年ぶりに高校の同級生との飲み会があった。その際、私がファイナンシャルプランナー(FP)だと知っている男性の友人が「聞いてくれよ。大学生の子どもがアルバイトで稼ぎ過ぎて、扶養から外れてしまった。確定申告で16万円くらい納税することになって、まいった」と、ぼやく。

 気の毒にと思いつつ、「確定申告で納税したのは所得税だよ。住民税は後追いだから、実際の負担はもう少し多くなる」と追い打ちをかけるようなことを言ったら、彼は少ししょんぼりしていた。

 友人の税金がアップしたのは、扶養している子どもの「特定扶養控除」を受けられなくなったからだ。12月31日時点で19歳以上23歳未満の扶養親族がいると、所得税は63万円、住民税は45万円の控除を受けることができる。特定扶養控除は他の控除に比べて金額が大きいので、受けられないと結構、手取り額が減ることになる。

 所得税は累進課税で、年収が高いほど税率も高くなる仕組みだ。このため、控除を受けられなかったときの税金アップは、年収により異なる。

 読者のみなさんは、どのくらい税金が変わってくるのかを「自分の場合」で知りたいはず。今回は、控除を受けられないと親の税金がいくら負担増になるのかを年収別に試算した。次ページの具体的な税金試算表を見ると、少なくない負担増に驚くはずだ。

 子どもが大学生になると、高校生の時よりも格段にバイトの時間が増え、その分、収入も多くなる。子どもがバイトをするなら、「バイト代がいくらまでなら親の税金の負担アップにならないか」を知り、子どもと共有しよう。