――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  ここ何十年かに起きた金融危機は、急速かつ激しく進行する傾向があった。通常は一握りの企業や国を中心に展開し、多くの場合はアジア市場が開く前、週末に最高潮に達する。  このパターンは、現在起きている混乱が最悪の局面を乗り切ったかもしれないという希望の根拠となっている。混乱は、シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行の経営破綻、今月のUBSグループによるクレディ・スイスの強制的な買収、そしてこうした出来事に対応して米連邦政府が実施した緊急対策を経ている。