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日経平均株価が史上最高値を更新する一方、「今から買っていいのか?」とちゅうちょする個人投資家は少なくない。実際、日経平均の予想PERは20倍を超えており、過去の水準と比較すると割高だ。では、どうすればいいのか。連載『株式相場の歩き方』の本稿では、日経平均の予想PERを「過去と比較しても意味がない」ことを解説。さらに、実際の銘柄の値動きを振り返りながら、足元の予想PERが割高でも、「来期の利益爆増&PER低下」で一気に割安サインが点灯する銘柄の見つけ方を紹介する。(株式コメンテーター 岡村友哉)
日経平均の予想PERが20倍突破でも
“過去と比べても意味がない”理由とは?
衆院選直後の円高にも負けず、AIディスラプション(創造的破壊)騒動(※1)や高まる地政学リスクにも負けずに「史上最高値を更新」する日経平均株価。ついに6万円台も見えてきましたね。(※1:AIの急激な進化により、ソフトウエア企業が打撃を受けること)
絶好調の日経平均ですが、気にする人は気にしそうな内部的変化が2026年に入って発生しています。それは日経平均の予想PER(株価収益率)が大台の20倍を上回ったことです。
日経平均の予想PERは、日経平均を構成する225銘柄の1株当たり予想利益(EPS)で割って算出します。では、予想PERが20倍という状況をどう見ればいいのでしょうか。
下図はアベノミクス相場が始まった13年初頭からの日経平均の予想PERですが、20倍超えはレアケースなのです。
20倍のラインを上回ったのは、13年初頭と20~21年にかけての2カ所だけ。中長期で定着したためしがないゾーンといえます。
13年初頭はアベノミクス相場が始まった局面です。安倍政権の改革期待や急激な円安が追い風となり、4月下旬から5月初旬に上場企業が開示する14年3月期業績のガイダンス(業績予想)を反映するまで、株価が期待先行で先走りました(今と一緒ですね)。
20~21年は新型コロナウイルスで経済活動が急停止。上場企業が業績予想の取り下げをするなどEPSが急低下した場面でした。
後世に「アベノミクス」「コロナショック」と語り継がれるであろう特殊な時期以来となる予想PER20倍台を受け、「これってどう見ればいいんだろう?」「上がり過ぎでは?」と素朴な疑問を持つ方もいるでしょう。
ここで一ついえることは、“過去と比べても意味がない”ということです。というのは、13年や20年と比べ、日経平均の構成銘柄が大幅に入れ替わっているからです。
当時と比較すると、日経平均の構成銘柄にはキーエンス、村田製作所、レーザーテック、ディスコ、イビデンなどが加わっています。言い換えると、日経平均はハイパーグロース株仕様に変貌しています。ですから、その分だけ「PERは高くなって当然!」ともいえるわけです。
とはいえ、そんな理屈よりもマーケットは人間の感情(投資家心理)がつくるものです。「日経平均の予想PERが20倍超えていて、割高感があるからここから買いたくない」といった心理から、今は買いを控えておこうと判断する個人投資家が多いのではないでしょうか。皆さんいかがでしょう?
岡村氏が述べるように、高市相場に乗れていない個人投資家は少なくない。次ページでは今回の高市相場で大きく買い越した投資家の特徴を明らかにしつつ、物色の流れの大きな変化や市場が注目しているセクターを解説。人気株の値動きも振り返りながら、日経平均株価が高値圏にあるときの投資術のヒントを紹介する。








