「英語を話せるようになりたい」という人にぜひ読んでほしい1冊が『5分間英単語』だ。1トピック5分のトレーニングで、日本人の英語学習に不足しているボキャブラリーを拡大し、スピーキングやリスニングなど実践的な英語力アップに役立つ1冊だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では『5分間英単語』から特別に一部を抜粋して紹介する。

「もし何かあったら、電話をください」を英語でどう言う?Photo: Adobe Stock

よく使われるcomeの句動詞を身につけよう

 ここでは、comeを使ったphrasal verbをいくつか取り上げる。

come up:
(1)come up「(問題などが)生じる、持ち上がる」
(2)come out「(本・映画・曲などが)発売・公開される」
(3)come across「(思いがけず)~を見つける」「(相手に)~という印象を与える」

(1)come up「(問題などが)生じる、持ち上がる」

 come upは、主に「(問題などが)生じる、持ち上がる」という意味で用いる。upは「上がる」から転じてpop up(出現する)、turn/show up(姿を見せる)のように、「出現する」の意味でも使う。よって、come+upで「来る+出現する=生じる」の意味になると捉えておこう。

(2)come out「(本・映画・曲などが)発売・公開される」

 come outは、文字通り「外に出てくる」から転じて、「(本・映画・曲などが)発売・公開される」「真実が出てくる、知られるようになる」「~という結果が出る」「(言葉が)口から出てくる」などの意味で使われる。

 また、日本語でも秘密を告白することを「カミングアウトする」と言うが、英語のcome outは主に「同性愛者であることを公表する」という意味で使う。同じ意味でcome out of the closetも使われる(まるでクローゼットの中に隠れるように同性愛者であることを秘密にしていたが、そこから出て公表するというイメージ)。

(3)come across「(思いがけず)~を見つける」「(相手に)~という印象を与える」

 come acrossは、大きく分けて2つの意味で押さえておこう。①「(思いがけず)~を見つける、~に出くわす」、②「(相手に)~という印象を与える、真意などが伝わる」。

 acrossは「横切って、向こう側へ」という意味の語。②については、「相手と自分の間にある空間を越えて、印象や真意が伝わってくる」というニュアンスから発展した意味だと理解しよう。

(1)come up

I have to go. Something urgent has just come up.
「急を要することが持ち上がったので、行かなきゃ」

Call me if anything comes up.
「もし何かあったら、電話してください」

Your name came up at the meeting.
「会議では君の名前が挙がっていたよ」
◆ 「話題として出る」という意味でも使われる

(2)come out

His new book is coming out in April.
「彼の新刊が4月に発売される」

The truth has come out.
「真実が明らかになった」

Everything is going to come out all right.
「全てうまくいくよ」
◆ come out (all) rightで「良い結果になる、うまくいく」

I don’t know why I said that. It just came out.
「なぜそんなことを言ってしまったのか分からないけれど、口から出てきたんだ」

(3)come across

This morning I came across an interesting story in the newspaper.
「今朝、新聞で興味深い記事を見つけた」

I was on his computer earlier today and came across a folder named “Not Pornography.”
「今日彼のPCを使っていて、『ポルノではない』という名前のフォルダを見つけた」

At first Troy came across as a nice fellow.
「最初トロイは、いい奴だという印象を与えた」
◆ 「印象を与える」の意味では、acrossの後にas ~や副詞を続けることが多い。come across as ~で「~という印象を与える」

I always come across badly in interviews.
「私はいつも面接での印象が良くない」

She spoke for a long time at the meeting, but her point didn’t really come across.
「彼女は会議で長い間話したが、言いたいことがいまいち伝わってこなかった」

□ urgent(形)緊急の
□ fellow(名)(男性に対して)奴

(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)