「英語を話せるようになりたい」という人にぜひ読んでほしい1冊が『5分間英単語』だ。1トピック5分のトレーニングで、日本人の英語学習に不足しているボキャブラリーを拡大し、スピーキングやリスニングなど実践的な英語力アップに役立つ1冊だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では『5分間英単語』から特別に一部を抜粋して紹介する。
take:「取る」から派生する4つの重要な意味
take
(1)「~を盗む、奪う」
(2)「~を持っていく、連れていく」
(3)「~を手に取る」
(4)「(授業)を取る」
引き続き、「(自分の意思で)取る」というイメージを持つtakeの用法を見ていこう。
takeは「取る」⇒「取って持ち去る」から「盗む」という意味でも使われる。単に「盗む」だけでなく、強引に「奪い取る」場合や、災害などが「命を奪う」ような場合もこれに含まれる。
また、「盗む」と同じ発想で「~をどこかに持っていく、連れていく」という意味でも使われる。
他にも、「~を手に取る、つかむ」という意味の用法もある。
さらに、take his classのように「(授業)を取る」も「(自分の意思で)取る」の仲間と考えられるため、takeを使うと覚えておこう。
(1)「~を盗む、奪う」
Someone took my bag.
「誰かが私のバッグを盗んだ」
The hurricane took the lives of 10 people.
「そのハリケーンは10人の命を奪った」
The actor took his own life.
「その俳優は自らの命を絶った」
John, take the knife away from the baby!
「ジョン、赤ちゃんからナイフを取り上げて!」
◆ awayと共に用いることで「取り上げる」というニュアンスが出る
Her performance took my breath away.
「彼女のパフォーマンスに息をのんだ」
◆ take one’s breath awayは「(主語が)~の息を奪う」から「(主語は)息をのむほど素晴らしい」という意味を表す決まり文句
(2)「~を持っていく、連れていく」
Don’t forget to take an umbrella with you.
「傘を持っていくのを忘れないようにしなさい」
We took her to the hospital.
「私たちは彼女を病院に連れていった」
The child was taken against his will.
「その子どもは意思に反して連れていかれた」
This song takes me back to my high school days.
「この歌は私を高校時代へと連れていってくれる(高校時代を思い出す)」
◆ このように比喩的に「連れていく」場合にも使える
(3)「~を手に取る」
She took my hands and looked into my eyes.
「彼女は私の手を取り、私を見つめた」
I took the pen and signed the contract.
「私はペンを手に取って、契約書にサインした」
Emma took the letter from him and read it aloud.
「エマはその手紙を彼から奪い取って、声に出して読んだ」
◆ この例は(1)「盗む」と解釈することもできる。(1)~(4)は同じイメージから派生しているので、複数の用法として解釈できるものもある。よって、こうした分類自体にはあまり神経質にならずに、あくまで「(自分の意思で)取る」という本質に目を向けよう
The officer took me by the arm.
「警官が私の腕をつかんだ」
◆ 〈take+人+by the+身体の一部〉で「人の~をつかむ、手に取る」。took my armも可
(4)「(授業)を取る」
I decided not to take Mr. Greene’s class.
「グリーン先生の授業は取らないことにした」
□ contract(名)契約書
□ officer(名)警察官
(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)