NISA3年目の変化!10カ月連続で米国株からグローバル株へ資金シフト【投資信託の最前線】

米国・イスラエルのイラン攻撃が始まり金融市場は不安定さを増しています。ただ、「新NISA3年目」の投資信託の勢いは、1月の特需が終わっても止まらず2月の資金流入額は1.7兆円に。一方で、資金の「行き先」に変化が起きています。圧倒的人気を誇った米国株型への流入が、米テクノロジー株の不安定化を受けて減速。代わってグローバル株型が10カ月連続で米国株型を上回る流入を記録しています。「金」や「バランス型」への分散も鮮明に。最新のデータから投資家のマインドシフトを読み解きます。

2月の投信流入は高水準維持、1月超加速の反動をこなす
 「攻めの外国株」に加え、リスク分散の「守り」の意識も鮮明に

 2026年2月の国内の投資信託市場(ETFを除く追加型株式投信)への資金流入額は、月間で1.7兆円となりました。過去最高を大きく更新した1月の2.8兆円の資金流入から減速したものの、堅調な資金フローが継続しました。通常、1月はNISAの年間投資枠が暦年でリセットされることから資金流入額が膨らむ傾向にあるため、2月の1.7兆円も十分に高水準の流入額と言えます。

 資産クラス別にみると、引き続き外国株式型の投資信託に資金流入が集中。外国株式型の投資信託への資金流入額は、1月は1.8兆円、2月は1.1兆円となっています

 ただし、2025年1月は、投資信託全体で2.2兆円の資金流入額のうち、外国株式型が2兆円に迫っていました。これと比較すると、外国株式型の資金流入が減速しており、足元で投資家はやや資金を分散させる動きが見られます。具体的には、金(ゴールド)に投資する投資信託や、バランス型投資信託により多くの資金が向かっていることが確認できています。

米国株型への資金流入が減速傾向
ゆるやかに地域配分のリバランシングが進む

 また、外国株式型の投資信託の内訳をみると、引き続きグローバル株式や米国株式に投資する株式型投資信託を中心に高水準の資金流入が見られます。しかし、もう少し細かく見ると、その資金フローの動向は、少し変わってきています。世界経済の不透明感が高まり、米テクノロジー株の値動きが不安定となる中で、米国株投資信託への資金流入が減速しているのです。

 新NISAがスタートした2024年は、米国株型の投資信託の資金流入が+6.6兆円だったのに対し、グローバル株型の投資信託は+4.9兆円にとどまっていました。そしてそのまま2025年4月までは、米国株型への資金流入はグローバル株型を上回っていました。しかし、その後は10カ月連続でグローバル株型の資金流入額が米国株型を上回っています。とりわけ、2026年に入ってグローバル株型への資金シフトがより顕著になっていることが、グラフからも確認できるでしょう。

 前回の連載「最新データでは米国株の人気継続、欧州株流入の兆しも!税制改正で変わるNISA新戦略は?」では、欧州株型への資金流入は限定的であると指摘しました。しかしグローバル株型において、欧州は米国の次に地域配分が大きいケースが多いことを勘案すれば、ゆるやかながらも米国から欧州への資金シフトが起きているとも言えそうです。

藤原延介さん藤原延介(ふじわら・のぶゆき)●1998年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。マーケティング部 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応大学経済学部卒。
◆投資信託の最前線
20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
ダイヤモンド・ザイ NISA投信グランプリとは
ダイヤモンド・ザイでは1年に1回、「NISAで買える本当にイイ投資信託」を部門別にランキングし、上位のファンドを表彰している。人気や知名度ではなく、データを最重視した完全実力主義のアワードだ。「1.どれだけ上がったか(上昇率)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの独自基準で評価を行う。また、非常に人気があり多くのお金を集めているにもかかわらず成績が振るわない投資信託も、「もっとがんばりま賞」として発表している。

<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧

日本株総合部門
日本中小型株部門
米国株部門
世界株部門
新興国株部門
リート部門
フレッシャー賞
もっとがんばりま賞
(番外編)インデックス型「最安ランキング」
▼当グランプリの「選定基準」はこちら⇒https://diamond.jp/articles/-/363017

本記事は2026年3月7日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。