ロシア・モスクワで、国防省無人部隊の募集を告知する看板 Photo:Contributor/gettyimages
25年実質GDP成長率は1%に急減速
経済から「停戦」へのインセンティブ強まる!?
ロシアによるウクライナ侵攻から丸4年が経過した。
この間のロシアの実質GDP(国内総生産)成長率を見ると、2022年に欧米などの経済制裁で前年比▲1.4%と一時落ち込んだものの、23~24年は4%台の高成長を記録。25年に入ると、高インフレ抑制の金融引き締めで一転して1%まで急減速したが、それでも潜在成長率並みの伸びを維持している。
この軌跡は、危機回避から戦時経済への適応、そして戦時特需による景気過熱と供給の限界といったロシア経済がたどった4年間を象徴している。
侵攻から5年目に入り、米トランプ政権の仲介で停戦に向け、ロシア、ウクライナ、米国の話し合いが断続的に行われるなか、プーチン大統領は、侵攻した東部4州の割譲やウクライナ軍の撤退などを求める強硬姿勢を続ける。
停戦が実現するとしたら、一つの鍵はロシアの経済状況だろう。
ロシア政府はこれまで、戦争のコストを巧みに覆い隠してきた。徴兵の負担を地方や低所得層に集中させる一方、契約兵には高額の一時金や給与を提示して参加を促してきた。政府の軍事支出に支えられた生産拡大は雇用と賃金を押し上げるなど、「戦時体制」の下、表向き、経済は回っている。
だが、民間部門では、政府資金が重点投入されている航空機や船舶、武器製造などの軍事関連は活況だが、自動車を筆頭に民生部門の生産は停滞し成長の偏りが目立っている。供給制約があるなか、軍需の拡大でインフレが高進、金融引き締めが行われた結果、設備投資の低迷など、戦時経済の副作用も目立ってきた。
戦争がさらに続くとなれば、経済の面から 戦争継続へのブレーキが強まる可能性はある。







